遺産分割調停を円滑に進めるポイント

 遺産分割調停をしているが、話が進まない、期日に行ってもお互いに平行線だ、といった場合に、私が実践していることをご説明します。

遺産分割を円滑に進めるための、大きな考え方

 遺産分割調停が進まないケースは、いくつか典型的なパターンがあります。例えば

  • 家に住み続けたいが、お金がないので払えない
  • 介護していた部分を考慮してほしい
  • 資料を出してくれない、持ってこない

 などです。

 進まないケースで共通することは、法律関係や事実関係に関するお互いの言い分があいまいになってしまっている、ということです。

 そのため、状況を整理していけば、おのずと見通しがよくなっていきます。

 以下では、状況を整理するためのポイントをご説明します。

争点(言い分が対立していること)を、法律上の概念に従って整理する。

 問題は、複雑に絡み合っていますが、まずは、それぞれについて、一つずつ整理することが大切です。

 先ほど挙げた、「家に住み続けたいが、お金がないので払えない」ということを整理すると、

 相続人の一人が不動産の取得を希望している。他の相続人は、不動産の取得を希望しない(現金で受け取る形で構わない)ということなので、不動産の取得については、(現金が支払えれば)双方で合意できる内容です。

 その上で、支払う金額について、相続人間で合意ができない、ということが、状況の整理になります。

 このように、状況を整理していくことで、話し合うべき内容を整理することが可能です。

法律上の解釈を整理する。

 争点とともに、法律上、どう考えるべきかを整理します。

 わかりやすい例では、「資料を出してくれない」、という場合、相手方に資料提出の義務があるのか、資料提出の責任をどちらが負うべきなのか、資料提出がされない場合に調査できるかなどを考慮します。

 調停は、裁判所で行うことからもわかるように、法律に従い衡平の原則に沿って行いますので、法律上の義務がない場合、相手方が協力しない以上、これ以上話をしても難しいです。

 逆に、相手方が提出しないことが相手方の義務違反となり、これに対するデメリットが生じるなら、提出しないならその分デメリットを甘受するよう主張します。

 また、法律上、調査ができるなら、調査を進めることになります。

 このように、法律上の解釈を整理して、これに沿った進め方をすることで、調停が前進することは多くあります。

書面で主張を明確にする。

 調停は、口頭で言い分を述べていくことでも進めることができます。

 しかし、口頭で説明するだけでは、説明が不十分になる、話が上手く伝わらない、ポイントを整理しづらいなど、様々な課題が生じます。

 そのため、事実関係など、整理して書面で主張することは、特に遺産分割調停では、大切なことだといえます。

 書面を作成し提出する際のポイントは、

  • 法律上意味のあることを記載する。
  • 争点について記載する。
  • 感情的に相手を非難することをしない。

 です。

 書面提出は、これをきっかけに話がこじれてしまうこともあるので、合意によって成立する調停では特に注意が必要ですが、書面を出すことは整理のために非常に大切だと考えています。

まとめ

 調停が進まない、双方の言い分が対立しているとして、ご相談にいらっしゃるというケースもしばしばあります。

 調停の進め方でお悩みの方は、60分無料法律相談を実施しておりますので、あいなかま法律事務所までご相談ください。